『こっちを向いて』 CAST:Hizikata,Kagura.
「ねーねー多串クン」
「多串じゃねっつの土方だっつの」
「ねーえー振り向いてくれたら酢昆布入りパフェでも奢ったげるヨ」
「要らねえから死んでも要らねえからっていうか何処にも売ってないだろそんなもん!」
「そんなの簡単、普通のパフェに酢昆布二枚ぶっ刺すだけアル」
「作るのかよ自分でッ!…あのなぁっ……」
いい加減ツッコミにも飽きてきて、ずっと全力の早足で歩いていた彼もぐるりと首を後ろに回した。もちろん相手の首根っこの一つも掴んできっちり説教食らわしてやるつもりだった(親父臭いと言われようとも)のだが、
「痛てっ!!」
「あ」
突然頬を突いた痛みに思わず声を上げる。その原因である少女は、少し青みの帯びた瞳をきょとんと丸くして、両腕で器用に彼の肩にぶら下がっていた。片方の手は人差し指がぴんと立っている。
「…勢いつけ過ぎたアル」
「勢い!勢いだと!?肩を叩く手の指立てて振り返った相手の頬を突くなんてベタな悪戯に助走&ジャンプまでして勢いつける奴が何処の世界に居るってんだ!何処にィィ!!」
「此処に居るネ」
「って、また抜け抜けとこのやろっ…」
「第一、普通にやるんじゃ私、届かないヨ」
「は?」
「多串クンおっきすぎるアルー」
足をぶらぶらさせて、肩にかけていた両腕をぐるりと土方の首にまわす。天人だからかそれとも子供だからか、人より少し高いらしい体温。背中に肩にじわじわと染み入ってきて、くらりと一瞬世界が回った、ような気がした。深いため息。ああ。
嫌になるよ、全く。
---------------End.
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私はどうも土方氏の首に神楽をくっつけるのが好きなようです(分かりにくいんだよ描写が)
ていうかなんか尻すぼみで…!あわわ;
今更ながら土神ってどんな感じなんだろう。ていうかこれは完璧に神土だな…(もはやどうでも良いんですけど)